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小説の冒頭で読者を物語の中に引きずり込む方法

冒頭には『とびっきり美味しい』『第一印象』を

小説の冒頭にはとびっきり美味しそうなものを置くのが、執筆するときの定石だ。
自分の小説を読む読者は何を求めてきたのかを考え、または自分の小説はどんな物語を求める読者に読んで貰いたいのかを考えて、読んだだけで涎がだらだらでるほどのとびっきり美味しいシーンを書かなくてはならない。そうでないと、読者は物語の中まで入ってこないからだ。

人間は第一印象で大体の評価が決まってしまうというように、小説だって第一印象で読んで貰えるかどうかが決まる。
もちろん、その後も面白くなくては最後まで読んで貰えない。これも人間と同じだ。

では、どうやって冒頭で読者にとびっきり美味しい第一印象を与えれば良いのか。

「読者の目を引きつける」だけじゃ足りないし、「世界の説明」だけでも足りない

よくあるのが、読者の目を引きつけるシーンを置いておくこと。異性とのハプニングとか、甘い恋の予感とか、迫力のバトルシーンとか、残虐な事件とか。
でも、それだけじゃあ足りない。過激なシーンというのは、一度食べてしまえばそれでおしまいだ。そのシーンがその小説の世界観と密接に結びついていれば上手く読者を引っ張り込めるけれど、そうでないなら読者は冒頭がただのエサだと感じ取って、すぐに読むのをやめてしまうだろう。

かといって、世界の説明だけでは読者を引きつけられない。読者は世界観の説明を読みたいのではなく、その世界にある『物語』を読みたいのだ。

では、どうやって冒頭で読者に良い第一印象を与えれば良いのかというと、『物語の世界』を『読者の目を引きつけながら』描写するということだ。

リトルウィッチアカデミアの魅力的な冒頭

リトルウィッチアカデミアというアニメが2017年の1月から放送されている。


TVアニメ『リトルウィッチアカデミア』1クール目ダイジェストPV


このアニメは、一話の冒頭で物語の世界を視聴者の目を引きつけながら描写している。

主人公のアッコの憧れの人となるシャリオの魔法の美しさ、シャリオがアッコにどういう影響を与えたのか。
この冒頭で、『この物語の世界には魔法と魔女が存在する』『シャリオの魅力』『アッコが魔女を目指す動機』と様々なことを語ってる。
アニメだからこそできる表現が殆どだけれど、この物語の運び方は参考になる。

ゲームの操作説明と物語を引っ張るシステム

ゲームも物語を語る上で参考になる。

ゲームを製作する上で大事なのは、なるべく早めにプレイヤーにゲームを操作させることだ、というのを前にどこかで読んだことがある。
しかし、操作方法を全て説明してからでは、プレイヤーはなかなかゲームに触れない。
そこで、大抵のゲームはプレイヤーに操作させつつ、その都度説明を表示する。

小説にもこれを応用できる。つまり、物語を描きつつ、その都度読者が物語を理解するのに必要な設定を公開するというやり方だ。
物語の世界を読者の目を引きつけながら描写するにも、このやり方は必要だ。

魅力的なシーンと、それに関連する読者が物語を理解するのに必要な設定の説明。
冒頭で物語を動かす核を披露してしまうのだ。
そうすることで、読者を物語の世界に引き込みやすくなる。