過去の自分は意外と才能があったという話

「この小説面白いなー……私が書いたのだけれども」

自分の過去の小説を読み直す機会がありました。
ちょっと推敲するだけのつもりが、面白くて面白くて、気がついたら最後まで読み終わり、まだ当分推敲しなくてもいい番外編まで読み終えていました。
いや、だってね、本当に面白いんですもん。

読み直した小説は、私が今までに書いた小説の中で一番人気があった小説で、書いている頃は「これ面白いの?本当に面白いの?」と自分で自分を問い詰めながら書いていたのですが、今ならはっきり答えられます。面白いよ、この小説。粗があるけど、面白い。

自分を信じるのって大切

書いていた頃はいくら「面白い」との感想をもらえても、それをなかなか素直に受け止められないところがありました。
けれど、今になってこうして冷静に小説を読み返すと、あながち嘘とは言い切れないな、むしろ本当の可能性の方が高いなと思えました。
自画自賛になりますが、本当に面白いんです。熱と勢いがあって。そういえば書いていた頃は必死だったなーと読み終えたあとはしみじみとしました。

けれど、私は自分を信じ切れず、この小説を一度ネットの大海からすくい上げて消してしまいました。
偶然評価されただけの小説を自分の代表作だとは思われたくなかったんですね。もっと面白い、ちゃんとした小説が書けるはずだと思っていました。そんな小説は数年経った今でも書けていないのですが。

今思うと、あのまま掲載していて、なおかつ続編を書いていれば、もっと評価をもらえて自分の腕も磨けたのではないかなと感じます。それほど面白かったんです。
走っている最中は自分の足跡なんて振り返る余裕はないのですが、あとあと立ち止まってよく見てみると、意外ときれいな形になっていたりするんですよね。勿体なかったです。
今書いている小説はなるべく消さないようにします。傑作だとは思えなくても、過去のパターンがありますからね。